「……ごめん、ごめんごめん……」


肩を震わせて泣いている
小さい体を抱きしめた。


「ごめん、ごめん……俺ヤバイな………」

「……」


何も言わない亜弥、
ただすすり泣く声だけがよく響いた。



「……俺たち、別れよう…」

本当は別れる気なんて無い
亜弥の気持ちを試したかった。


ここで首を横に振るなら
大切にしていきたい

もし…首を縦に振ったなら……?



「いやだ!嫌だ!!別れたくないよぉ!!」


案の定、亜弥は俺の足にすがりついた。



「だって俺……亜弥を…殴った……」

「ううん。ヒロは悪くないの!私がいけなかったの、電話に出られなくてごめんね!」


必死に繋ぎ止めようとする姿を見て
俺は少しだけ良い気になっていた。



「分かった…じゃあ、大切にする」


そう言うと亜弥は安心したように笑って
俺に引っ付いた。



調子に乗った俺がいけない
油断した俺がいけない…


これから起こる出来事を亜弥のせいにする事はできない。