服を脱いだ彼女の肌に唇を当て、 すうっ、と深呼吸すると、 彼女自身の匂いが、喉の、からだの、奧にまで流れ込んできた。 その先は、 やはりあまり記憶がない。 ただ、最中に、 彼女の瞳の奧に浮かぶ、はっきりした感情と、 あの、 呪文のように、 何度もつぶやく、 言葉の正体が分かった。 「た………」 瞳の奧にあったものは、 「い……」 紛れもない、 「た………」 恐怖。 「いやだ…たすけて!」