しばらくして、
それまで黙っていたすみれが口を開いた。


「苦しいよ…」
「お、おう…!!」


いきなり発せられた言葉に驚きつつ
すみれが怒っていないようで、安心する。


冬李は腕の力を緩めるだけで、
彼女を拘束している腕を解こうとはしなかった。