名乗って、くれた。


だが、
ただそれだけ。

それだけのことなのに
とても嬉しく思った。


「桐崎冬李!!
…ここにいるのは」
「見れば分かる」


すみれは、顎で冬李の足を指した。


「まあ、そんなとこだな」

詳細は、とてもじゃないが
恥ずかしくて言えたものじゃない。


特に、女の子の前では。