「駄目って言われてることほど、
やりたくなるものじゃないかな」


それから、彼女は天を指差す。


「それに、あんな高くまで登れたら
いい景色が見れそうじゃない」
「………」


―――心配して、損した。
というか、早とちりとか恥ずかしい。

冬李は何か釈然としない気分だったが、

彼女の言った、
“駄目って言われてることほどやりたくなる”
ということにはとても共感できる。