「なぁ!!」
「…!?」


勇気を出して、声を張る。
フェンスを登っている最中であった少女は、
驚きのあまり肩を震わせ、
急いで振り返った。



「何してんの、危ないだろ」
「あ、や…その、」


少女は、口ごもる。


「いいから、降りてこい」

冬李は、少女にそう促した。

半分以上登った状況でそのまま会話を初めて
バランスを崩して落下なんて、洒落にならない。