「実はこいつ、ガンだったんだ…。余命も宣告されてて…。」





「いつからガンだったの??」





「夏休み入った頃ぐらいだったかな…。さとえの別荘に行った時にはもう余命を宣告されてて…。」






「嘘だ……。なんで…なんで私にいってくれなかったの?」






「俺もさとえも理生に口止めされてて…。莉緒ちゃんと別れたのも、自分のかっこ悪い姿見せたくなかったらしい…。そして、俺の事は忘れて幸せになって欲しいとも言ってた。」






「忘れられないよ…。一生……。私…理生くんがいなかったらどうすればいいのかわからない……。」






「あいつ。別れてからもいっつも莉緒ちゃんの話ばっかりしてて…。俺に聞いてくる事といえば、莉緒ちゃんの事ばっかり…。あいつは最後まで莉緒ちゃんを愛してたよ…。」






「何それ……。」




もう、会えないの?




もう、声も聞けないの?