「泣いてる…」



えっ?



自分の頬を触ってみると、濡れていた。





「ち、違うの!これはっ!!」





「泣かせたのは俺だよな…。俺、なに焦ってんだろう…。」





この日、理生くんは始めて私の前で泣いた。





「ごめんね…。」





私は静かに理生くんを抱きしめた。






「送ってくわ…。なんか、泣いちゃったな。俺、ださっ!」





そういった、理生くんの顔は悲しみで溢れていた…。





私は、しばらくしてこの顔の理由を知ることになる。




「送ってくれて、ありがとう!!また、明日」




「あぁ。じゃあな!!」