永久ちゃんが何を思ってそんなことを言ったのかは知らない。
「幸せになりたい。でも、シアワセって何の事だかわからないの。漠然としすぎて、自分が何を望んでいるのか、理解できない。あたしってバカね」
私から見れば、永久ちゃんは幸せで、恵まれている。
なのにどうして、そんなふうに思うの?
「なっちゃん、あたし、なっちゃんが羨ましい。可愛くて、キレイだもの」
「何言ってるの?永久ちゃんの方がずぅっと綺麗じゃない」
「ううん。あたしは醜い。きっと世界で一番醜いわ。それに汚い。汚されちゃったもの」
「え……」
永久ちゃんは、まるで機械のようにそう呟いた。