「果歩」

「汰遙…」

「委員会、終わったのかよ?」

「あ、うん。ってかなんで汰遙がここにいるの?」

「お前を待ってたんだよ」

どき……

私、神崎 果歩(カンザキカホ)

中学二年生です。

そして、幼なじみの、

広瀬 汰遙(ヒロセタイヨウ)

汰遙は、顔はいいのに、性格は


凄く強引だ。

だけど、強引だけど…


優しい。


「ぶ…部活は…?」

「今日ない」

「じ、じゃあっ!二時間も待っててくれたの!?」

「…あぁ」


私の為に…!?

「暇だったから」

がーん。

今の一言で、奈落の底へ落とされた気分になった。

私の為じゃなかったのね…

「汰遙は、暇人だなぁっ」

「1人で帰んの、怖いだろ」

「やだなーっ怖い訳ないじゃんっ小学生じゃあるまいしっ」

「あー、そ。じゃ、帰るから。あぁ、そういえば、最近この辺り、変なやつでるらしいから気をつけろよ」

「え゛…うそ~」

「うそついてどうする」

それは、怖い!

それはやだ!

とっさに私は、汰遙を抱きしめた。

ぎゅぅーっ…

「…どうした急に?」

「やっぱ…怖い」

「怖くないってさっき言ってましたが?」

「うっ…」

「怖くないって言ったんだから、1人で帰れよな」

スタスタスタ…

強引だ……

ま、私が悪いんだけどさ。

一緒に帰ってくれてもいいじゃんっ!