「花は母親に好かれるために必死やったんよ。ひどいことされても、花にとってはたった一人の母親やけん。」

利一さんは眉を下げた。

「泉、花のこと嫌いにならんでやって。」

「…嫌いではないです。」

利一さんは笑顔になって俺の頭を撫でた。

「ありがとうな。」

「いっくん!」

花ちゃんが部屋に入ってきた。