ここに来て喪服に腕を通すのは3回目だ。 「…花ちゃん。」 部屋を覗くと花ちゃんは折り鶴を眺めていた。 「…千羽折れなかったからおばあちゃん死んじゃったのかなあ。」 お見舞いに行った日から折っていた鶴。 「…そんなことないよ。おばあちゃんは病気だったから仕方ないんだよ。」 「…うん。」 「折れた分だけでも棺桶に入れてあげよう。」