「澪姉ちゃんは、小さいときたくさん遊んでくれました。いつも笑顔で優しくて、私の憧れで。」

優しい表情の美姫さん。

「でも、いつからか澪姉ちゃんと会わなくなって。私は小さかったから、澪姉ちゃんと会えなかった理由なんて知らなくて、そのうち澪姉ちゃんのことを忘れて過ごしていました。」

麦茶の中の氷がカランと鳴った。

「久しぶりに思い出したのは、澪姉ちゃんが亡くなったということを母から聞いたときでした。小さいときの記憶しかないけど、あの澪姉ちゃんが自殺なんて信じられなかったんです。母に、澪姉ちゃんの葬式に出たいと言ったら『あの子のことにはもう関わるな』と言われて…顔出せなくて…」

俯いてしまって表情が見えない。