そうだ。普通盗むならお金とか高そうな物を盗るだろう。それなのに美姫さんはお金に変わらない原稿や本を盗った。

「美姫ちゃんが、ここに来た本当の目的は何なん?」

優しい口調の利一さん。

美姫さんは重い口を開いた。

「私…澪姉ちゃんの親戚なんです。」

「え、澪さんの…?」

澪さんの優しい笑顔が一気フラッシュバックした。