「陽呂? 姉ちゃんの事、どう思ってるの?」

「え?」


美鶴が真剣な顔するから、俺も真剣な顔になったじゃねーか……。

そして……本当の気持ちを言ってしまったんだ。


「俺……心菜が好き……だ」

「本当に?」


子供の様に無邪気な笑顔で声を上げた。


「でも……心菜は、柏原が好きなんだよ」

「え? そんな訳な……」


驚いた表情の美鶴を横目で見ながら続けた。


「しかも両想いだ……」


美鶴の笑顔が薄れていく。


「それに……キスもしたらしいし」

「え? 姉ちゃんと柏原さんが?」

「あぁ。だから……だから婚約は解消した方が、いいかもしれない」

「なんでっ……陽呂の気持ちは、どう……」



――ガタッ



美鶴が話してる時に音がして、ベットのカーテンを開けたら、心菜が立っていた。