「でね、今も探してるの」
「北川…佑麻ねぇ~…」
「うん…」
「顔、覚えてる?」
顔は覚えてる。
整った顔で二重で唇が綺麗で
わたしと同じくらいの年齢だと思う。
「でも7年経ってるわけでしょ?
結構顔変わるよ?」
「だよね…」
でも、わかる気がするんだ。
面影を探して、見つけるの。
「でも大丈夫だって!」
咲は優しい。
こんなにも勇気付けてくれて。
「ありがとう」
「この学校にいるか探してみるよ!」
「うん!」
ここの学校は
出会ったときの場所と近い。
だからもし、王子様が引っ越して
いないとしたら、会えるかも。
それからの毎日は、
王子様を探す日々となった。