教室に入ってもみんなは騒いでいた。

「俺がお前らの担任の杉本だ。
 これからよろしくぅー!」

「いぇーい!」

みんな緊張が解れたのか
笑顔が絶えない。


今日は、先生の話で帰る日だった。
帰ろうとしたとき、咲が来た。

「ねぇ、お願いがあるんだけど」

上目遣いでわたしを見る咲。
「うん、いいよぉ」

わたしが承諾するなり
明るくなる咲。

「やった!じゃあ会いたい人がいるの」
「誰?」

わたしが聞くと
ぷくーっと頬を膨らましながら言った。

「だからさっき言った好きな人!」
「あぁ、チャラい人」

教室を出て、隣の教室へ行く。
「ほら、あの人!」

うげっ…
チャラ過ぎ。

茶髪に銀のピアスをしてて
シャツの中には
黄色いTシャツを着てる。
不良らしきグループに固まってる。

「咲、チャラすぎじゃない?」
そう言うとまた頬を膨らました。

「そんなことないー!優しいもん」
「じゃあ、声掛けてみる?」
「いいの?」
「名前わかってる?」
「橋本廉…だと思う」
「本当に?」

ひそひそ話していたわたしたちに
橋本廉がやってきた。

「君ら何話してんのー?
 あ、君さっきのー!!」

咲を見るなり一人で騒いでいた。