side公望



「HR始めるぞー」



副担任が教室に入って来た。


だけど俺はそれ以上に気掛かりな事があった。





高森の席が空席になっている事。




すると一人の女子生徒が挙手をして言った。



「せんせーい、明日翔ちゃんて如何したんですか?」



俺が聞きたかった事を偶然に聞いてくれた。

俺はその質問の答えを唾を飲んで待つ。



しかしその質問の所為で他の生徒が騒ぎ出す。



「本当だー!」

「確か朝はいたよね?」

「明日翔って高森の?」



皆、口々に何かを言う。


まるで高森が転校して来た時の様だ。





「高森は気分が悪くて今、保健室で寝ている」



ざわついていた教室が静まり返った。