「…明後日の七夕祭りに行こうまではいいわ。平日開催だから少しは空いてるだろうしね」

とんとんとんとん…テーブルを叩くリズムが徐々に速くなっていく。

「ただ」と言葉を区切った瞬間、その指をぴたりと止めて再度強く問うた。

「誰と誰で行くって?」

「……」

「だ、れ、と?」

「…私と真白」

「と?」

「陽平君と、そのお友達?」

少し抵抗をしていた感があったが、開き直ったのか「えへへ」と笑って舌をぺろりと出してみせる結衣に目の前がぐらりと歪んだ気がした。

一体いつの間にそんな話がまとまったというのだ。

次の言葉を発せずにいると、「フラペチーノってどんな意味だろうね」なんて言いながら抹茶クリームフラペチーノのホイップをかき混ぜる結衣に確かな苛立ちを覚える。

結衣が男だったら感情に任せて引っ叩くことも出来たのに…。

『女であったことに感謝しなさいよ』なんて、古臭い昼ドラに出てきそうな台詞でもぶつけてやりたくなった。