ピンポーンとアパートの呼び鈴が鳴った。
僕は、小さな声で頼むからと火星人親子に言いながらドアを開けた。
美香が、ヘルメットと大きな紙袋とリュックを背負って立っていた。
ブーツを履いてるせいもあるが目線は、一メートル七十三センチの僕とほとんど変わらないどころか少し高かった。
美香は、一メートル六十九センチと言ってるが、僕の推測では、一メートル七十センチは、あるのだろうと思われた。
やはり六十センチ代と七十センチ代では、女としては六十センチ代と言いたいのだろうと短く刈った茶色の髪を見ながら僕は、改めて思った。
美香は、今年二十九歳になる三十四歳の僕とは、五つ年が違った。
口が大きく歯並びが良かった。
目も大きいが多少離れ気味だった。