「無いよ。分かった。
明日買っておくからテレビの音をもう少し小さくしてくれよ。」
「そうですね。
ここは、一部屋しかないですからね。
前に住んでた所は、何部屋もありましてその時の癖が抜けずにすいません。」
「前は、何処に住んでたんだよ。」
門田さんは、下を向き足をクニョクニョと小刻みに動かした。
「桃尻エリカの所だよ。」
息子が言った。
「桃尻エリカってあのエリカ様か?」
あの騒動を起こした女優の名前が出るとは、全く予測してなかっし僕は、実は、桃尻エリカのファンだったのだ。
「本当か?」
「嘘ついても仕方ないじよないか。
だけど、エリカちゃんに言わないでって言われてるからお父ちゃん困ってんだよ。」