「ねぇ、真里亜って3年に彼氏でもいるの?」
「えっ?」
「さっき、3年の教室のところいたでしょ?」
「あ、い、いたっけ?」
「いたでしょ!?」
今まであまり話したことがないクラスの子に話かけられるきっかけがこの話題だとは思わなかった。
「あ、あれは、や、野球部の先輩に話を聞きに行ってただけだよ。」
「え?野球部?」
「そう、だよ。」
あれ?この展開はもしかして?
「マネージャーでもやるの?」
ですよね。
この言葉が正しいです。
私の返事をする立場、どうしたらいいですか!?
「い、いま、悩んでる。」
「へ~。それで、どんな事するとか聞いてきたってこと?」
「そう!そういうこと!」
「なんだ、そっか~」と言われてホッとする私。
「でも、それならマネジの人に聞けばいいのに。」
「わからなくて。」
「部員に知り合いでもいるの?」
「うん。まぁ。」
「なるほど。なんか、騒いじゃってごめんね。」
「いえいえ、とんでもない。」
そして、その子は私のところから離れて行った。
名前、聞いてないな。
いまだに、クラス全員の名前は覚えられてません。
これだから、クラス替えって嫌なんです。
でも、私マネジやりそうな雰囲気で話してしまった。
マネジ、嫌じゃない。
マネジをすることが、嫌なわけじゃないし・・・。
「ほんとに、やってみようかな。」
一人でつぶやいた言葉を、今度は帰って仁にメールで伝えた。