「本当に、ごめんなさいっ」
「お母さん・・・」
「・・・・・・」
「ありがとう・・・」
「え?」
私の中にはこの言葉しか浮かんでこなかった。
「ありがとう」
「真里亜・・・」
「ありがとう、お母さんっ」
「っまりあ」
お母さんがそっと私を抱きしめてくれる。
私もお母さんに抱きつく。
お母さんとこうやって触れたことなんてなかった。
お母さんは、すごく温かかった。
優しい温もりが、こんなにも近くにあった。
「これからも、私のお母さんでいてねっ」
「あ、私も~!」
お風呂から出てきた真咲が私とお母さんの所へ来た。
そのまま、私たちに抱きつく。
「え、何やってる?」
「パパも!」
「え~っ」
と言いながらも、自分の部屋から出てきたパパも私たちを包み込んでくれた。
家族って、こんなにも温かいんだって感じられた瞬間だった。
お母さん、今までごめんなさい。
私も、正直になれなかったんだ。
お母さんも正直になれなかったって言ったでしょ。
私もだから。
一緒だね。
今度、一緒に皆で洋服買いに行こうね。
その日の夜、スヤスヤと寝れたのは言うまでもなくて。