仁が目を丸くする。
私も、ふと口にした言葉を後悔する。
自分で地雷を踏んでしまう、そう思った。
でも、仁は笑顔になって返事をくれた。
「嫌なわけねぇし。じゃぁ、制服着て来い。時間ねぇから、飯は購買でも行ってなんか買うか。」
「・・・はい。」
本当は不安だった。
仁に本当は迷惑だとか思われているんじゃないかって。
昨日の夜に言ってくれた言葉を本当に信じていいのか、半信半疑だった自分を責める。
仁は本当に信じてもいい人。
一斗とは全然違うんだ。
「早く!着替えてこい。」
「うんっ」
仁の言葉に背中を押されている自分がいる。
それなら、私は前に行ってみよう。
急いで制服に着替えて、学校へ急ぐ。
昨日おそらく走ってきた道を、今日は仁と一緒に歩いている。
時々すれ違う同じ学校の生徒たちに「彼氏の人も彼女の人もお似合い」なんて言われることもあった。
彼氏彼女じゃないんです。
そう言いたくても言えない。
って、私そもそも可愛くないし、仁にふさわしいと思ってないし。
仁にはきっともっとキレイで可愛い彼女ができる。
でも、そう考えると心がチクリとしたのはなんで?
二人で学校までの道を歩く。
そして、私がいつも登校しているぐらいの時間に学校へ着いた。
「じゃぁ行くか。」
「ま、待って!」