次の日、目が覚めると椅子には仁の姿がなかった。
もう学校へ行ったのかな。
寝室から出てみると、そこにはまだ仁の姿があった。
そして、私はあることに気が付く。
それは、仁の着ていた制服。
「あ、おはよう、真里亜。」
「仁、その制服・・・」
「あぁ、まぁそういうこと。」
仁が着ていた制服は私と同じ学校のものだった。
「真里亜がおんなじ学校だってことは昨日からずっと知ってたよ。制服着てたし。」
「なら、何で言ってくれないの?」
「今日わかるかなって。」
「そりゃ、わかるけど」
「あと15分したらここ出るよ。」
「え?」
「真里亜は結局どうすることにした?」
どうするって言われても・・・学校には行きたくないし、仁はここにいてもいいって言うし、でも仁はこれから学校で私この家に一人残るってことになって・・・
「一緒に、行くか?」
「え?」
「嫌ならいいけどさ、俺が一緒に行ってやるよ。クラスまで。」
「そ、そんな!」
「だから、嫌ならいいんだって。行くなら一緒に行こう。休み時間とか、見に行ってやるからさ。」
「・・・ほんとに?」
「あぁ。」
「だって、学年違うよ?恥ずかしくない?」
「かなり恥ずい。」
ですよね。
それなら、無理に来てもらわなくてもいい。
私が学校に行かなかったら、仁が恥ずかしい思いをすることなんてない。
「けど、2年に俺の知ってる後輩がいるからさ。そこまで恥ずいこともないか。そっか。」
一人で納得している仁を見て、この人って本当に感情豊かすぎると思っていた。
「で、行くか?やめとくか?」
「仁は、私と一緒にいて嫌じゃない?」