私を見つめながら「ふ〜ん」と言ってまたテレビを見る。
この人は、本当に私がここにいても気にしない人なんだ。
フレンドリーなわけ?
普通、一つ屋根の下に男女がいることって相当大変なことなんじゃないの?
こんな、私がほぼ空気みたいな感覚ってちょっと逆に寂しいんですけど。
「そんなとこで突っ立ってないでこっち来て座れば?」
「えっ、そんな」
「帰るのか?」
「い、いえ。帰りませんけど・・・」
「ならどうぞ。俺飯食うし。」
まだ食べてなかったんですか。
さっきの間に食べれたでしょうに。
「今、さっきの間に食っとけよって思ったろ。」
なんで、私の心読まれた?!
「あんた待ってたから。」
「え?」
「やっぱ、一人で食うのって寂しいじゃん。だから、起きたら少しくらいは食うかなって。」
「でも、さっきいいって言いましたよね、私。」
「さっきはさっき。今は今。腹は自然に減るしさ。食う?」
お腹、空いてますよ。
でも、食べたくないって言うか。
お腹が受け付けてくれるかどうかが問題。
「食べやすいようにおかゆ作ってるし。」
「え、それって私のためにですか?」
「ストレートに聞いてくれるよな。まぁ、そんなとこ。俺も食べようと思えば食べるけどさ。」
「私のために」と聞いて、少し嬉しくなった。
ここまでしてくれたのなら食べない方が申し訳ない。
だから私は、少しだけいただくことにした。
「今って何時なんですか?」
「今、10時くらいか。」
「結構、遅いご飯ですね。」
「あんたが寝てたからな。」
「す、みません。」
「構わないよ。さ、どうぞ。」