また目が覚めたときには、隣に男の人がいた。
椅子があって、そこに座って寝ていた。
「起こしちゃまずいかな。お手洗い行きたいんだけどな。」
ずっと寝ていた私でもさすがに何時間も行っていないとなると辛いものがある。
でも、男の人はスースーと寝息を立てて寝ていた。
お世話になっている身だしやっぱり起こすのは悪い。
私はそっと起きて、ベッドから降り部屋を出た。
あの部屋から出たのは今が初。
どうやらここはどこかのアパートらしい。
2LDKくらいというところ。
お手洗いはどこに・・・
ガチャッ―――
その時勢いよくさっき私が出てきた部屋のドアが開いた。
ビックリして振り返ると「あ」と言って私を見つめる男の人が立っていた。
「何してんの?」
「あ、いえ、その・・・」
「あぁ、そっか。もしかしてトイレ?」
「・・・はい。」
「そこ。」
男の人が指をさした先には確かにお手洗いらしき扉があった。
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
私はササッと済ませて、男の人のところへ向かった。
ソファーに座ってテレビを見ているその人は、やっぱり見とれてしまう。
かっこいい。
何ていうか、一斗とはまた違って色気があるというか、何をしていてもすべてがかっこいいというか、ってそんなにこの人の行動を見てたわけじゃないけど。
でも、ほんとに。
モテるんだろうな。
「ん?なに?」
じっと見ていた私に首をかしげながら聞いてくる。
「いえ、なんでもないです。」