帰りたくないならここにいてもいいって、そんなこと本当にいいのかな。

きっと、本当は邪魔だよね。


それならやっぱり帰るべきなんじゃ・・・でも、帰りたく、ない。



ガチャッ―――


そこに入ってきたのは、さっきの男の人。

手には、お茶の入ったコップがあった。


「飯は食わなくてもいいけど、水分はとっといたほうがいいから。はい」

私の目の前に持って来られたお茶。


そのお茶を受け取り、口に含む。


麦茶。


意外にも、コップ一杯のお茶がすんなりと私の体の中に入っていった。

「一気飲み、さすが。」

「ご、ごちそうさまでした。」


「いえいえ。じゃぁゆっくりしていきな。」

「あ、あの!」


「なに?」

「本当に、私ここにいていいんですか?」
「俺は構わないけど、一応親ごさんには連絡しときなよ。」


そう言って部屋を出て行った。

連絡ぐらいはしておかないと確かにヤバいかもしれない。


良いって言ってくれてるし、信頼できそうだし・・・。
お言葉に甘えようかな。


今日は、一人になりたいから・・・。



私はパパにメールで『友達の家に泊まって勉強会をする』と書いて送った。

パパ、ごめんなさい。

今日は帰りたくないの。


その後、パパから『了解しました。頑張れ。』と返事が来た。



ありがとう、パパ。

ごめんね、パパ。


そして、私はまた眠りについた。