あたりが薄暗くなってきた。


ここはどこだろう。

そこは私が今まで見たことがない場所。


周りには家しかない。

それでも歩き続けると、住宅地のはずれに小さな公園があった。


公園に入ると、そこには滑り台とブランコ、砂場しかなかった。

こんな時間に子供が遊んでいるはずもなく。
私がただ一人いるだけだった。


私は、ベンチに座り一息つくことにした。


ここは、どこの地区だろうか。

私の家って、ここよりも遠いところかな。


人に聞こうにも、人がいない。



捜す力もほとんどなかった。


やっと体調が回復してきたって時に、無茶して走った私。

途中からは足元がふらついて何度もこけそうになった。


食事の量も以前に比べてかなり減って、体重も激減。

かなり痩せている私の体。
こんな体でよくここまで走れたんだとつくづく思う。


でも、これからが問題だ。

どうやって、家に戻ったらいいの。
来た道も、ここまで一心不乱に走ってきた私が覚えているはずもなく。


ふと、空を見上げると、そこには満天の星たちが輝いていた。

何てきれいなんだろう。


空全体が輝いて見えた。

それは、私の目に涙が溜まっていたからだと気付く。


一斗とカナ。

二人は本当に、関係を持っていた。
カナが望んだこと。

一斗と結ばれるということを。


それなら、一斗は?

一斗はこのことを望んでいたの?


なら、なぜ、私と付き合ったのかな。

遊ばれていただけだったのか。