目が覚めたそこは病院のベッドの上。


白い空間に、一人寝かされている私。



「真里亜?起きたか?」

「・・・ぱぱ。」


「よかった。ちょっと待ってなさい。」


パパが先生を呼びに行った。

ここは病院。


私、どこか怪我でもしたんだっけ?

でも、体はどこも痛くない。


けど、一か所だけ痛むところがあった。



「神崎さん、調子はどうですか?」


「・・・たい。」

「え?」


「心が、痛い・・・」


体は全然平気なの。

でも、私の心には大きな傷跡があった。



その日から私はカウンセリングを始めた。

私の心を救おうと、先生は一生懸命になってくれた。


でも、私の心の傷はそう簡単には治らなかった。


「神崎さん、今日はどんな気分ですか?」


「・・・さぁ」

「そうですか。」


いつも同じ。

私が言うことは「さぁ」の言葉だけ。


私は、人との関わりを避け続けた。



そして、私はいったん家に戻ることを許された。

家の方が楽かもしれない、というパパの提案だった。


でもね、パパ。それは間違ってるよ。


私を苦しめるだけだよ。