あの日から少し経つと、仁は卒業した。
それからの日々は、お互い忙しくてなかなか会えなかったりもした。
でも、お互いの休みが重なった時は必ずデートをした。
デートって言っても、ただショッピングに行ったり、うちに来てみんなでご飯を食べたり、仁の家に行ってずっと話してたりっていうことばかりだった。
それでも、私たちはすごく幸せだった。
ただ、少しの時間でも一緒に過ごせることが嬉しくて幸せだった。
他愛もない話をして、時には少しだけ喧嘩をしてすぐに仲直りをしたりもした。
一緒にプロ野球を見たり、高校野球を見ながら意見を言い合ったりしながら楽しく過ごした。
うちの野球部は、なんと今年も甲子園へ行けることになった。
藤井君を中心にみんなで甲子園で戦った。
優勝まではできなかったけど、なんと準々決勝までは行けました。
それは仁もすごく喜んでた。
きっと、尾崎先輩たちも喜んでたと思う。
そして、私は野球部のマネジを卒業し、受験勉強に励んでいた。
いまだに夢が決まらない私は、とにかく大学へ進むことにした。
もう少しいろいろなことを勉強してみようと思ったから。
仁もそれには賛成してくれた。
時は過ぎて春になり、私は高校を卒業した。
ちゃんと、大学にも合格しました。
これからまた新しい生活がスタートする。
ドキドキワクワクで楽しみだけど、不安なこともたくさんある。
でも、そこは家族や仁が支えてくれて私は現在大学4年生。
しかも、もうすぐ卒業する。
仁は、というと・・・なんと本当に高校の先生になっちゃった。
まさかあの仁がねぇ、というのは嘘。
本当に自分のことのように私も一緒に喜んだ。
今日も、神野先生は高校で楽しく働いてるんだろうな。