「ま、じ?」
「・・・うん」
道のど真ん中で立ち止まっている私たちは、お互い顔を赤らめた。
「・・・メール、パパに送るから。」
「・・・おう。」
パパにメールを打って、仁の方を向く。
そして、そっと「行こ・・・」と言って歩き始めた。
仁も、私の手をそっと握ってくれて一緒に歩いた。
仁の家に着くと「俺、シャワー浴びるわ・・・」と言ってお風呂場へ行ってしまった仁。
その間、私は一人ソファーで胸のドキドキを静めていた。
すごく緊張してる。
でも、すごく、幸せに思ってる。
今まで、仁が私のことを大事にしてくれてずっと我慢してくれてたこと。
「やっぱり、仁は・・・すごくいい彼氏。」
その言葉は私しかいないその部屋に小さく響いた。
「真里亜?」
「ん?」
「いいよ・・・。シャワー。」
「ありがと。」
ソファーから立ち、お風呂場へ向かう私の手を掴んだ仁。
「仁?」
「ほんとに、俺でいい?」
少し不安そうに聞いてくる仁。
そんなこと、聞かなくていいのに―――
「仁が、いい・・・。」
「・・・さんきゅ。」
そっと離された私の腕。
お風呂場に向かう。
シャワーを浴びながら、自分の胸にそっと手を当てる。