私はもう一年この学校に通う。

まだ夢は決まってない。


あと一年、しっかり悩んで決めたいと思ってる。


「真里亜。」


「なに?」


今日も帰り道、仁と二人で話をしていた。

「俺、頑張るから。」


「頑張ってね。先生?」

「まだなってねぇよ。」


「でも、仁ならいい先生になれそう。あ、顧問にね。」


「なりますよ。夢、叶えて見せますから。」

「はい。」


もう少しで仁とバイバイの時間。

アパートについちゃうなぁ・・・。


少し、寂しく思う。


「真里亜?」


そんな私の顔を覗き込んで、仁が優しく微笑む。

そして、次に仁が言った言葉で、私は立ち止まった。




「今日、俺んち泊まって、かない?」


「・・・え?」



「真里亜が嫌なら、高校卒業するまで抱かないって決めてたけど・・・最近すげー寂しくってさ。その・・・真里亜が足んないっていうか・・・。」

「っ・・・」


「嫌ならこのまま送るけど・・・。」


今まで仁が私に触れてくるとしたら、キスまでだった。

でも、ずっと我慢してくれてたんだ。


やっぱり、仁は優しい。


そんなところが、大好きなんだ。



「・・・私も、仁がほしい、とか思ってみたり・・・?」