その時、電話越しにママが「ふふっ」って笑ったのがわかった。


今私、何かおもしろいこと言ったかな?


『真里亜?』

「なに?」


『結婚式には絶対呼んでよね?』


「・・・ママぁ。」

『ふふっ。じゃぁ、今日はオトモダチのうちに泊まるのね?』


隣にパパがいるから、ママはそう言ってくれた。

まさか、男の人の家に泊まるなんて言えないもんね。


「そうだよ。パパに伝えてね?」

『わかったわ。じゃぁ、またね?』

「うん。おやすみなさい、ママ。」


『おやすみ、真里亜。』


そして、電話を切った。


でも、すぐに今度はメールがあった。

ケータイが大忙し。


メールは、たった今電話を切ったママだった。

“危ないことはしないことよ?ママとパパみたいにならないようにねっ。って、パパならわかってくれるかしら?えへへっ”


「えへへっ、って。ママ、若いね。」

「何が若いって?」


「仁には関係ないよ。」


ケータイを閉じて、鞄にしまう。

「変なの」と言いながら隣に座る仁。


「風呂、沸いてるから入ってきていいぞ。」

「ありがとう。でも、そういえば着替えないや・・・。」


「あぁ、俺の貸すよ。」


仁が部屋に行って持って来てくれたジャージを貸してくれた。


お風呂に入って、それに着替えると、やっぱり大きくてブカブカ。

「仁、お風呂ありがとう。」


「おう。んじゃ、俺もシャワー浴びてこ。」

「え?シャワー?」