この空間には私たち二人しかいないあ。

そして今は、二人で見つめあってる。


何だか変な感覚に襲われる。

「キスしてもいい?」


「えっ」

「嫌なら、拒んでいいから。」


仁の顔が近づいてくる。


そして、私の唇にそっと触れる。

今日2回目のキス。


そっと離れる仁は、優しく微笑みながら「帰んないで」とつぶやいた。


一気に顔が熱くなるのがわかった。

「・・・わ、かった。」


ただ一言を言うのがこんなにも大変だとは思わなかった。



それから私はすぐにパパにメールをした。

すると、すぐに電話がかかってきた。


「パパ?」


『真里亜。』

「・・・ママ?」


『そうよ。真里亜のアドレスは知ってても、電話番号は聞いてなかったわね。』


パパが電話をしてきたのかと思ったら、相手はママだった。

でも、どうしてパパのケータイを持ってるの?


「パパは?」

『隣にいるわよ。今、真里亜の家にいるから。』

「うちに!?」


『そうよ。真里亜、私のことほっといて帰っちゃうんだもの。まぁ、女子高生だものね?』

「あはは・・・。ママ、いつまでいるの?」


『この後帰るわ。』


「・・・会いたかったな。」


『今度また会いましょ?』

「ほんとに?」


『えぇ。真里亜が今度こそ私のことを忘れてなければね?』


「ごめんね、ママ。でも、絶対覚えとくから!また、メールするね?」

『そうね。待ってるわ。』