台所から顔をだした仁は、私に「飯食ってく?」と言ってくれた。
さっきからいい匂いがするなぁ、なんて思ってたんだけどそれは仁がご飯を作ってる匂いだったんだ。
この匂いは、もちろんカレーだよね。
カレーのいい香りが部屋中に広がっていた。
「じゃぁ、食べてこっかな。」
「了解。もうすぐできるから待ってな。」
台所へ戻っていった仁を見て、私は何をして過ごそうか考えた。
でも、テレビをつけてもこの時間はニュースばっかりだし・・・。
台所行ってみようかな。
ソファーから立って、台所へ向かう。
「できたー?」
「おう。できた。」
お鍋の中にはおいしそうなカレーができ上がっていた。
お皿を出して盛り付ける。
それを机に運んで、私と仁は食べ始めた。
「おいひぃ!」
「よかった。真里亜のお母さんほどじゃねぇかもしんねぇけど。」
「おいしいよ!お母さんのと同じくらい。」
「あんがと。」
カレーを黙々と食べて、きれいに完食した。
「ごちそうさまでした。」
「あい。」
私の食器と自分の食器を流しに持って行く仁。
ふと時計を見ると7時をまわったところだった。
そろそろ帰ろうかな。
「仁。そろそろ帰るよ。寝たりないでしょ?しっかり休んでね。」
「帰んの?」
「え?」
帰んの?って、そりゃ、帰りますよ?
「帰るよ?」