少し首をかしげながら言う仁。


「いてぇな?」って感じだよね。

私に同情を求めてるってことですよね。


そんなことされたら「うん」としか答えられないよ。



「俺んちくる?」

「・・・うん。」


「家帰って、ゴロゴロするかっ。」


「疲れてるんだったら寝た方がいいよ?」

「ん~。まだ疲れてない。」


「なにそれ。」

「まぁ、行くぞ。」


今度は立ち上がって歩きはじめる仁。

その後ろを追いかけて、仁の隣に並ぶ。


すると、そっと仁が私の手を握ってくれた。

仁の方を見ると「嫌なら放していいぞ」って言われた。

嫌なわけないよ、っていう返事の代わりにギュッと仁の手を握り返した。


この時仁の顔がまた少しだけ赤く染まったのを私はちゃんと見ました。



仁の家に来るのは久しぶり。


ソファーに2人で座ってテレビを眺める。

最初はテレビがついてるにもかかわらず、ずっと話してたけどいつの間にか話はストップしていた。


理由は・・・隣の人にあります。

急に私の肩に重みが加わったと思うと、耳元で寝息を立て始めた人がいた。


「仁?」

スーッスーッ―――


お疲れですよね。

本当は何かをかけてあげたかったけど、動くと起こしちゃいそうで動けなかった。


私も段々と眠たくなってきて、いつの間にか私も眠っていた。



それから時間が経って私が目を覚ますと、隣に仁がいなかった。


「仁?」

「お、起きた?」