この言葉も、下を向いたまま呟いた。


仁の言葉を待つ私。


・・・。


・・・・・・。


あ、れ?


一向に仁からの返事がない。

なんで?


どうしても気になって、仁の顔が見たくて、私は目をこすってパチパチさせた。

それから、ゆっくりと顔を上げると・・・そこには顔を真っ赤にした仁がいた。


「仁?」

「見んな・・・ばぁか。」


「なんでよっ。」


片手で顔を隠している仁が、すごく愛おしかった。

もっとちゃんと仁の顔が見たいのに。


「手、どけてよっ!」


「やだ・・・。」

「どけてっ」


「無理・・・。」


「ねぇ、どけってって」
「真里亜が、んな可愛いこと言うから悪いっ」


さっきよりも顔を赤くして言うのは、私の彼。


私が仁を好きなこと以上に、仁は私のことが好きなんだって・・・思ってもいいのかな。


これって、自信過剰かな?

「仁は、私のこと好き?」


さっき仁が私に言ったみたいに、今度は私が質問をする。

すると仁は私の目を見て、自分の顔の前にあったその手をどけた。


やっぱり、顔真っ赤だよ。


それからなぜかしばらく沈黙が続いた。

そして―――・・・



「好きすぎて死にそうなくらい、好き」