「正直に俺のことってどう思ってんの?」


「なんでそんなこと聞くの・・・」

「あ、や、その」
「仁の方こそ、私のこと好きじゃないんじゃないの?」


「は?」


「だって、そんなこと聞くってことは私のこと信じてくれてないってことでしょ?好きなら信じてくれるでしょ?」


自分でもかなり無茶苦茶なことを言ってるような気がする。

でも、不安で仕方なくて今にも泣きそうだったから。


何か言わないと、涙がこぼれそうだったから。


「ごめん。俺そんなつもりじゃなかった。ただ、本気で俺のこと好きなのかなって思って、聞いただけだからさ。」


「言ったじゃん・・・。私、バスでちゃんと伝えたじゃん。」


「だから、ごめんって!そんな怒んなよ。」
「怒ってないよ!不安にしたのは仁だよ!」


「・・・・・・」


仁が黙ってしまった。

そっと仁の顔を見てみると、そこには私と同じように悲しい顔をした仁がいた。


思わず、ジッと見つめてしまった。


仁のその悲しげな顔が、私に何かを伝えようとしているように見えたから。



「やっぱり、俺は恋愛できねぇな・・・。」


「えっ?」

仁がそっとつぶやいた言葉は、私の胸に深く刺さった。

今仁が何を考えているのか私にはわからなかったけど、それでもわかるのは私が仁を傷つけちゃったってこと。


なにか、言わなくちゃ。

なんて言えば、いいのかな・・・。



「俺さ、ここで真里亜を見つけたとき、いつもなら誰かがここで寝てようと無視するのに真里亜だけは無視できなかった。」


仁の顔を見ることができなくて、私はただ下を向いたまま仁の話を聞いていた。



「真里亜を見たとき俺の体が勝手に動いてた。呼んだけど、意識飛ばしちゃうしここに置いていくわけにいかねぇって思って、俺んちまで運んだ。結構重たかったんだからな?」

「別に、助けてくださいなんて言ってないんだから置いていけばよかったじゃない・・・。」


もう今は、こんなことしか言えない。

仁を傷つけてるのはわかってるのに、何を言ったらいいのかわからない・・・。


それでも仁は話を続けてくれた。