「んじゃ、また明日な。」
「うん。ありがとう、おやすみ。」
「おう。」
家について、裕樹が帰っていく。
毎日毎日本当にありがたい。
実際、まだほんのり明るいけど結構細い道とかあって怖かったりする。
でも、そんなこと言えるわけない。
言ってもいいけど、言いたくない自分の変なプライドがある。
明日も今日みたいな感じなんだろうな。
そう思うと肩がズシッと重くなったように思えた。
朝起きると6時ちょうど。
今から用意すれば十分に間に合う。
制服に着替えて、ご飯はササッと食べて家を出た。
学校に着くと、チラホラ部員が集まっていた。
各自でアップをしたり、グラウンドを整備してみたり。
トンボかけるのうまいよね。
そこはやっぱり部員だから、ね。
「おう、真里亜。早いな。」
「仁。おはよう。」
「はよ。さて、頑張りますか。」
「って!!」
「ん?」
仁!?
あの、朝は練習に出てくることが無い仁が今ここにいる。
頑張りますか、ってことは朝練に出てきたってことだよね。
ついに仁も本気モード?
「あのさ、その物珍しげに俺を見るのやめてくれます?」
「だって、今ここにいることが奇跡のようで。」
「あのな。」
「神野先輩。」