次の日の学校。
朝はとてつもなく憂鬱だったけど、やっぱり一斗と一緒にいると昨日のことは忘れられた。
無理やり、心のどこかに押し込んだだけかもしれないけど、それでいいと思っていた。
「明日のデート俺すっげぇ楽しみ。」
「私も、楽しみ。」
いよいよ明日は待ちに待った初デート。
隣ですでにはしゃぎ始めている一斗を見ていると私までウキウキしてきちゃう。
でも、不安な気持ちがどこからか込み上げてきていた。
「一斗」
「ん?どした?」
「私のこと、好き?」
どうしてこんなこと聞いたのか、わからないけど、聞きたかったの。
「え、急にどうした?」
「ううん。ちょっと聞いてみたかっただけ。」
「真里亜ってホントに可愛いよな。好きだよ?」
好き、その言葉を聞いたら私の頭の中がその言葉でいっぱいになった。
やっぱり昨日のことは嘘だったんだ。
一斗を信じよう。
「ありがとう。」
笑顔で言った私の頭をポンポンッて撫でてくれた一斗。
私は、間違ってない。
そう自分に言い聞かせた。
家に戻ってからは明日の準備をひたすらやった。
着ていく服を選んで、バックを選んで、靴も選んで。
香水もいつも使っているものとは変えようかな。
髪型は久しぶりに巻いてみようかな。
きっと今の私は、今日の一斗以上にはしゃいでいると思う。
と、その時悪夢の鐘が鳴り始める。
ピロロッ―――