「・・・っうん。」
病院を出て、車に乗っている間もずっとママのことを考えていた。
きっと、ママなら私とパパのことを思い出してくれる。
車の窓から外を見ると、そこには空一面にきれいな星たちが輝いていた。
「パパ。」
「なんだ?」
「星がきれいだよ。」
「いや、今パパ運転中だからなぁ。見れないなぁ。」
「きれいなの。」
「どんなふうに?」
「世界はこんなにも輝いてるんだって、思わせてくれるよ。」
「・・・そうか。それは、きれいだな。」
この星を見ながら願い事をしたら何でも叶いそうな気がした。
それは流れ星にお願いをしたときでしょ。
って自分に言い聞かせながら、それでもお願いしてみたの。
―――ママが早く私とパパのことを思い出してくれますように。
「ママに、会うことが夢だから。」
もう、ママに会ったんだよ。
でもママじゃないんだ。
だから、まだ私の夢は叶ってない。
どうか、私のこと願いを叶えてください。
この時、この地球のどこかの空で流れ星が流れていたなんて私は全く知らなかった。