次の日から私は仁の事をよく見るようになった。

毎日毎日、部活に一生懸命な仁を見つめていた。


今日だって、ほら、今バッティング練習中。

結構当たるものなんだなぁ、と思っていた矢先の出来事。


「マリアンヌ。」

「あ、佐藤先輩。」

「かみやんのこと見すぎ。」



「え?」


「茜里。そっとしておきなさい。」

「だってぇ、マリアンヌって絶対かみやんのこと」
「茜里!」

「うぅ・・・」


岡本先輩に少し怒られている佐藤先輩。

ってか、佐藤先輩その先は言わないでほしいです!


岡本先輩っ、と思って視線を送ると軽くウインクをされた。


多分、岡本先輩は理解してくれてるんだろうな。

本当に、ありがたいです。


その後も佐藤先輩は何か言いたげな感じではいたけど、岡本先輩にうまくまるめられていた。


佐藤先輩の中では岡本先輩はきっと、お姉ちゃんそのものなんだろうな。


お姉ちゃん、ほしいな。


「真里亜。」

「裕樹。どうかした?」


「俺の仕事ちょっと手伝ってくんね?そっちが終わったらでいいから。」


「私、ほとんど終わったからすぐ行くよ。」


残っていた仕事をすぐにやり終えて、裕樹の元へ向かう。

裕樹の仕事を手伝うって、私にできるのかな。



「裕樹。」

「おう。これやってくれると助かんだけど。」


それはスコアをつける仕事。

そのスコアは、仁のもの。


「え、なんで私が?」