仁もそのことに気が付いて「あ、へ?」って目をパチパチ。


「どう?ママのカレー。」

真咲が仁に尋ねる。

私も少しドキドキしながら返事を待った。


「おいしいです。俺、カレー好きなんでメチャクチャ嬉しいです。」


「そう、おかわりもしっかりしてね!」

「はい。」


仁が少し微笑む。

この仁の顔が好き。

優しい表情が、好き。



あれ?

私、今何て思った?


―――好き?




「真里亜?」



「はい!?」

「どした?」

「いえ、別に。お母さん、今日のこのカレーすっごくおいしい!」


「え・・・」

「え?」


「っそう。ありがとう。」


お母さんが笑った。

時々お母さんが笑うとき、私もすごく嬉しくなる。


こうやって笑いあうことって、幸せなんだね。



なんだかんだで、夕食が終わった。


「何か飲んでいく?」


と言ったお母さんは、仁と私にコーヒーと紅茶をいれてくれた。


今はリビングから離れて、私の部屋にいます。

仁と二人で。


この前の裕樹といた時みたいな感覚。