「あははっ、おもしれっ」って言いながら笑ってる裕樹を横目に私は顔が真っ赤になりつつある。
違う意味で。
「私みたいな女に興味ないってどういうことよ!」
「あ、でささっきの話の続きなんだけど」
「話!その話より、今数秒前に起きた話の方は!?」
「そっちのを聞きたいか、神野先輩の話を聞きたいか。どっち?」
意地悪な笑みを浮かべながら私に問いかけてくる裕樹。
ようするに、どちらかしか聞けないてことですよね。
・・・なら、そんな質問決まってるでしょ。
「わかったわよ。仁の話聞かせて・・・。」
「ほい。」
この時、裕樹はどんな気持ちでしたか。
私が、この話を聞きたいって言わなかったら裕樹は私のことをどう思ってくれていましたか。
『これは、噂なんかじゃない―――』
そう前置きをして話が始まった。
それは、今までの裕樹と仁の過去の話だった。