かっちゃんの表情が一転した。


かっちゃんは驚いたような、困惑したような目で、わたしを見つめた。


「マジで・・・?」


「うん・・・。」


「そうか・・・。」



しばし張り詰めたような沈黙が流れた。



「それで・・・、美里の親は知ってるのか・・・?」


再び口を開くと、かっちゃんはたずねた。


「うん・・・。きのう、お母さんと産婦人科に行ったの・・・。」


わたしは言った。



「それで・・・、親は何て・・・?」


「親は中絶しろって言ってる・・・。でもね・・・、わたし・・・、わたしは・・・産みたいって思ってるの・・・。」


わたしはやっとのことで、自分の気持ちを言葉にして声に出した。



そしておずおずとかっちゃんの目を見た。


目と目が合った。



「ごめん・・・。」


かっちゃんはわたしから目をそらした。


「おれは・・・、産むことには賛成できない・・・。」