剛はリボンをほどき、ラッピングペーパーをはがして、箱を取り出すと、箱を開けた。


星型のチョコレートを見ながら、剛は食べるのがもったいないくらいきれいな星だと言ってくれた。


それでも食べたい気持ちには勝てず、剛は星のさきっちょをかじった。


そしてわたしにも、少しかじらせてくれた。


剛がおいしそうにチョコレートをかじる様子を眺めながら、わたしは彼から本命かと聞かれたときの胸の鼓動を思い出していた。




そろそろ帰らなければならない時間が近づいてきた。


わたしは玄関に行き、靴をはいた。


「剛お兄さん、じゃあ、またね。」


わたしは剛に向き直ると言った。


「うん。チョコレートどうもありがとう。」


剛はにっこりした。


「ホワイトデー忘れないでね!」


「分かってるよ!梓からも毎年、念を押されてるからね。」


「じゃあ、バイバイ。」


「バイバイ。」