「まあまあかっこよかった?まぁ、ブサイクだって言われなくてよかったけど!ところで美里ちゃん、もしかして何か用事があって、うちに来たの?」


「うん。これ渡そうと思って。」


わたしはテーブルに行くと、テーブルの上に置いていたチョコレートを手に取り、剛に差し出した。


「はいっ。剛お兄さん、これ、チョコレート。」


「おれにチョコ、くれるんだ。ありがとう!」


剛は嬉しそうに受け取った。


「無断でメガネ外して、おれの寝顔見たことは、これで許してあげるよ。」


「わーい。よかった。」


「美里ちゃん、このチョコ、もしかして本命?」


剛はわたしの目を見つめた。


「えっ・・・?」


わたしは思わずどきっとして、剛の目を見つめ返した。



何だろう?


剛のまなざしがいつもと違う感じ・・・。


特別な感じがする・・・。




「冗談だって!」


剛は笑って言った。


いつもと違う剛の不思議なまなざしは、あっという間に消え去った。


「妹から本命もらおうなんて、思うわけないだろ!」


「あはは。そうだよね。」


わたしも笑った。