「普通、落としたとしても、膝の上とかに落ちるはずなんだけど。」


「あっ・・・、その・・・。」


「もしかして、美里ちゃん、おれのメガネ取って、おれの寝顔見てたとか・・・?」


「えっ・・・。」


「やっぱりそうなんだ!」


「ごめんなさい!」


わたしは頭を下げた。


「剛お兄さんのメガネかけてない顔、見てみたくって、メガネ外しちゃいました・・・。」


「ふーん。それでおれのメガネなしの顔、どうだった?」


剛は腕を組んでたずねた。


「えーっと・・・、」


わたしは答えに迷った。


正直に答えたほうがいいのかな。


でもメガネかけてないほうがかっこいいなんて、言うのもなんだし・・・。



「まあまあかっこよかったよ!」


わたしはとりあえず、そう答えておいた。


その答えを聞いた剛は、突然笑い出した。