びっくりしたというよりは、メガネのレンズ越しではない剛のまなざしに、どきっとしてしまったのだった。



「あれ・・・?もしかしてそこにいるの美里ちゃん・・・?」


剛がおぼろげにこちらを見ながらたずねた。


剛はメガネをかけていないから、わたしの顔がはっきり見えないのだ。


「う、うん。わたし!」


わたしは返事をした。


「鍵開いてたから、勝手に入ってきちゃった。」


「あれ?メガネ、どこいったんだろう・・・?」


剛は顔に手をやって、言った。


「確か、メガネかけたまま、寝たはずなんだけど。落っことしたのかなぁ。」


「あっ・・・、メガネはここだよ!」


わたしは右手に持っていたメガネを剛の手の上に置いた。


「サンキュー。」


剛はメガネをかけた。


「美里ちゃん、ところでそのメガネ、どこに落ちてた?」


「そ、それは、その・・・。」


わたしは言いよどんだ。